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2006年10月11日

ハチ公最後の恋人

BOOK

ハチ公最後の恋人

しばらく本のネタが続いていますが、今回は吉本ばななです。
古本屋に行くとけっこう安く売ってたりするので、まとめて買ってきたりするのですが、わりと好きな作家さんです。
新刊を待ちわびるほどではないですが。

この作品は主人公のマオとその恋人のハチの生い立ちが非常に特殊なのですが、あまりその辺は深く考えないほうがいいかもしれません。
その生い立ちによって運命的に出会い、宿命的に別れなければならなかったという部分は多少あるにせよ。

けっきょく、この物語を通して語りたかったことというのは最後のエピローグに集約されている気がします。
そこまではそれを語りたいがための前振りと言っては言いすぎでしょうか。

自分にとって最高の一日ってどの日なんでしょうね?
それはもう来たのか、これから来るのか?
これからのことは置いておいて、今まで生きてきた中では?

この問いは、かなり悩みます。
それほど鮮烈に記憶に残っている日というのがないように思えます。

これから訪れるであろういつか未来の幸福なある日は、あの日のバリエーションに過ぎないということだ。はじめてのことはいつも激しくきらめき、あっという間に過ぎ去って、そしていちばんすごいものだ。

「はじめてのこと」という観点で言えば、毎日何かしら「はじめてのこと」には出会っているのだと思う。
その鮮烈さの度合いはいろいろあるにしても。
その経験値を溜めていって、さまざまなことに対処して行っているわけで、幸福な日に限らず、すべてのことはバリエーションだとも言えます。
そんな日常を送るうちに「はじめてのこと」とはじめてと感じなくなってしまうのは、もったいないし、寂しいことだと思います。

自分の周りにはいろんな人がいて、毎日会う人も、年に一度しか会わない人も、近い人も、遠い人も、いろいろいて、みんな生きていて、なぜだかよくわからないけれど自分と関係を持ってくれていて。
生きているといろんなことがあって、楽しいことも、悲しいことも、好きなことも、嫌なことも、良いとか悪いとかではなくて、そんな雑多なことが一緒くたに連続して起こって、そんな事どもに流されて流されて、でどこに流れ着くのか?

そんなことはわからないのだけど、いろんな人に囲まれて、いろんな物事にもみくちゃにされたりして、そんなふうに生きるのも、まぁ悪くないなと思ったりしました。
と言っても、それ以外の生きかたってできないですよね。
それを受け入れるしかないってことかもしれません。

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