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2007年01月10日

枝の折れた小さな樹

BOOK

枝の折れた小さな樹

正月休み前に買った本ですが、今日ようやく読み終わりました。
そのときにまとめて買った本が後3冊残っています。
正月は予定もないし暇だから読むかと思ったら、読まないものですね。

「枝の折れた小さな樹」 鈴木光司著 (新潮社)

ひさしぶりに鈴木光司さんの作品を読みました。
著者曰く、「執着だらけの世界を、様々な無機物に視点を据えて描いた作品」ということですが、それほどそれぞれの無機物(小物)にがっちりと焦点が当たってるわけでもなく、物語のキーとして登場してくる感じでしょうか。

本のタイトルになっている「枝の折れた小さな樹」という作品以外は、わりと面白かったと思います。

「枝の折れた小さな樹」という作品がなぜ好きになれないのか?
話の筋としては、小学校を卒業する前に病気で死んでしまった妹のその後の未来を、情報学部で勉強している兄が映像化する。
それを見る父の思いと、それを作った兄の思いがつづられていく物語なのだけれども……

その映像を作った技術の説明があって、複数の顔からひとつの顔を合成する「モーフィング」技術と、実写の切り張りで作ったとあるんですね。
それほど詳しくもないですが、まったく知らない分野の話でもないわけで、文章を読みながら頭の中に思い浮かぶ映像と、その技術で作成できるであろう映像のギャップがありすぎて、ものすごい違和感を感じてしまうのです。
はっきり言って、「ありえない」
そんな子供を失った親が見て、その子供が映像の中で生きているように錯覚するほど生き生きとした映像が今の技術でできるとは思えない。

天邪鬼でしょうか?
でも、小説への中途半端な技術の導入と解説はどうにも背中がむずむずして、想像力を阻害される感じがします。

生命への執着。
それは苦しみであると同時に喜びでもある。
仏教ではあらゆるものへの執着をなくすことを教えるけど、苦しみと一緒に喜びまで捨ててしまったら「なんにもなし」になってしまうもの。

この年齢で人間への執着をなくすことはできない。

という、著者の言葉には共感できます。

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