Aire Project Blog

子供の目とカメラのファインダー

今年のお正月は実家に帰って、甥っ子や姪っ子とずっと遊んでいました。
いや、遊ばれていたのかも?(笑)

子供の成長というのは恐ろしいもので、一歳半の姪っ子などは、昨年の11月に会ったときはろくにしゃべれもしなかったものが、正月には一つの技を覚えていました。
それは、名付けて、

「これは?」攻撃

目についたものを手当たり次第に指差しては、

「こーわ??」

と近くの大人に聞きまくるのです。
こっちは「これは消防士さん」とか、「これはウサギさん」とか、いちいち真面目に答えるんだけど、まーキリがない。
同じものを何度も聞くし。
ひたすら「これは?」攻撃を返し続け、遊びに付き合い続けたおかげで、遊び相手として認めてもらえたみたいですけど(笑)

羨ましいのは、子供にとってこの世界は新しいものであふれているってことです。
大人になると、普段の生活には新しいものなんか何もなくて、当たり前でつまらないのものしか無いと思い込んで、何も見なくなってしまう。
毎日歩く同じ道、同じ電車、同じ毎日。

先週の演劇のレッスンのあと、演技講師の先生が言われたんですね。
周りのものや人に興味を持ちなさい。子供のように。
大人になると、いつもと同じと思って見過ごしてしまうけど、まったく同じなんてことはありえないんですよね。
世界は常に変化している。

それで、思い出したんです。
子供の目を簡単に取り戻せる魔法の窓があることを。
それは、

「カメラのファインダー」

写真をかじったことのある人ならわかるはず。
ファインダーを覗いた途端、世界が変わって見えること。
慣れてくると、カメラのファインダーを覗かなくても、ファインダー越しに見ているように世界を見ることができるようになります。
自分の中に、スイッチができるんですね。
自分は意識的にスイッチを入れないとできないですが、これとても楽しいです。

最後に、キャラメルボックスの舞台「エトランゼ」から、主人公のななえのセリフを。

私はあらゆるものにカメラを向ける。ファインダー越しに見た景色はいつも新鮮で、輝いてる。私は次々にシャッターを切る。時間を忘れて。